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可もなく不可もなく生きる

頑張る貴方へのエールとなる作品 ~宮下奈都『羊と鋼の森』~

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「音楽は人生を楽しむためのものだ」

ハローこんばんは、マイマイです。
2016年 第13回本屋大賞を受賞した小説『羊と鋼の森』、ようやく読むことができました。
2月9日に文庫版が発売されたということで各書店でも大きく取り上げられてますね。

2018年6月8日には映画の公開も決まっております。

主演の山﨑賢人をはじめ、三浦友和や鈴木亮平、上白石萌音・萌歌姉妹と俳優陣を見ても力の入れ具合が分かりますね。
音楽はNHK連続テレビ小説「べっぴんさん」や「ストロボエッジ」等の劇判を担当した世武裕子。
ご本人もピアノ弾き語りで活動されていることもあり、「羊と鋼の森」の世界観をどう描くか今から楽しみです。

銀杏BOYZの名曲「BABY BABY」をカバーしていると言うことで、ロックファンも是非聴いてもらいたいです笑


羊と鋼の森 (文春文庫) [ 宮下 奈都 ]

 

あらすじ

 

主人公の外村は高校生の時、偶然ピアノ調律師の板鳥と出会い、調律されたピアノの音を聞いてその魅力の虜となります。
今までピアノを弾いたこともなかった外村は地元北海道を出て本州の専門学校に通い、晴れて板鳥のいる江藤楽器で働くことになります。
そこで出会う様々な人、先輩である柳や秋野、ピアノを愛する佐倉姉妹……出会いの中で外村は少しずつ成長していきます。

 

『才能』について考える物語

 

今作は北海道の山の中で生まれ育った外村がピアノの中に故郷の姿を重ね、ピアノに魅了されていく姿が描かれます。
しかし調律の仕事をする中で様々な苦悩があります。
特に、調律師なのにピアノが弾けない、音楽に詳しくないと言うコンプレックスは大きな悩みの種となります。

江藤楽器で働き始めて右も左も分からない、戸惑いの連続である外村をよく面倒を見てくれるのが七年先輩である柳。
柳の言葉はたとえ話が多く遠回りではあるが、その中で外村は多くのことを学んでいきます。

「才能っていうのはさ、ものすごく好きだっていう気持ちなんじゃないか。
どんなことがあっても、そこから離れられない執念とか、闘志とか、そういうものと似てる何か。俺はそう思うことにしてるよ」

才能がないのではないかと悩む外村へ向けたこの言葉は、一つこの作品の大きなテーマとなっています。

外村が憧れ江藤楽器で働くきっかけを作った板鳥もまた、悩み戸惑う外村を優しく導きます。

「焦ってはいけません。こつこつ、こつこつです」

ピアノの調律の奥深さに魅了されながらもなかなか上手くやれない外村のもどかしさや焦りは、
読者にとって今上手くいっていない大切な何かと強烈にリンクします。
外村の成長する姿を見て、何かを始めた時に抱いていた「とにかく楽しい」と言う気持ちを思い出させてくれます。

「音楽は人生を楽しむためのものだ。はっきりと思った。
決して誰かと競うようなものじゃない。競ったとしても、勝負はあらかじめ決まっている。楽しんだものの勝ちだ。
「努力をしているとも思わずに努力していることに意味があると思った。
努力していると思ってする努力は、元を取ろうとするから小さく収まってしまう。
自分の頭で考えられる範囲内で回収しようとふるから、努力は努力のままなのだ。
それを努力と思わずにできるから、想像を超えて可能性が広がっていくんだと思う」

 

書評

 

私の場合、ピアノの調律ではないのですが、ドラムをずっと続けている為、音楽が大きなテーマになっている分、より強く惹きこまれました。
始めたばかりの17才の頃(奇しくも外村が調律と出会うのと同じ年でした)に、この作品を読んでいたらもっともっと頑張れたかなと思ったり笑

音楽以外のことでも、頑張っている何かがある人、頑張っていた何かを諦めた人、これから何かを始めようと思う人……
多くの人が読んで、少しだけ背中を押されるような、名作だと思います。
本屋大賞なのも納得です。

もし宮下奈都の作品を読んだことがなければ、この作品から読むことを是非お薦めしたいです。


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